わたしのうた
 

これから推敲を重ねていきたい

俳句


未熟児の乳吸えぬ子の五月寒
 
1975.5.7長女誕生まったく乳も吸わず泣きもしない子を眺めて心も身体も冷えていた 初めての俳句
逝き人の母の手とりて雨桜 2000年30年ぶりに偶然再会してそのあと桜 を観にいきました
2005年春、家の門口に忌中の札が・・
牡蠣焼きて渥美の海の香りぞす お土産にいただいた牡蠣を焼きながら20年以上前に訪れた渥美のことを想いだしました。俳句をすすめてくださったのはその方で、この句を褒めてくださいました
愛犬の毛玉を梳きて五月晴れ  
緋毛氈敷いて桜をさかなにす 家康の生母「於大の方」を偲んで於大公園の桜を観る
十二単群がり咲きて夏近し 半日陰に群がって咲くこのはなはとても美しい色です
母愛でし薫風の名の皐月咲く いまではもう何もわからない母 ですが、皐月やランを育てるのが好きでした
障がいの子らの集いて春昼餉 数家族も集まればもう大騒ぎの楽しいひと時
鉄線の若芽の伸びるはやさかな すごいの一言。一体一晩でどれくらいのびるのだろう
(こ)のくれし花で 彩り母の日に 2000年初めて花束をもらい感激「花で癒され」とどっちがいいかな・・
母の日に花に代わりてむつき買ひ 何度も入院する母は2003年母の日も病院ですごす
蕗の皮 娘とむきて母想ふ

ああ、そういえばこうやって母と蕗の皮をむいたなあ

ゆらめけるいのち見守り五月寒

ながい間わたしたちを癒してくれたマリリンを看取りました

愛残しマリリン逝きしこどもの日 子どものようなマリリンは「こどもの日」に逝きました
一夜明けなお安らかな初夏の朝 マリリンは本当に安らかな顔で旅だちました
薫風に乗ってマリリン旅たちぬ こんな薫風の吹く日にはいつも風の香りをかぐような仕草の子でした
わがまちの町の花なり卯の花は 卯の花ってよく見ると真っ白でなかなかいい花です。町を2回重ねたけれど、なんだかこの町に誇りがあるように感じます
砂糖壷に蟻群がりて夏はきぬ

蟻ってすごい

就職の決まりて笑みし春夕餉

就職難の時代心配した息子の就職が決まって

立秋の猛暑にひとすじ秋の風

立秋といえどもまだまだ暑い。そんな中にも一筋の風に秋を感じます

紅葉葉(もみじば)の紅き光に染まりおり

2002年秋久々に香嵐渓に紅葉狩り

梅雨近し母の着物の裄足りず

梅雨も近い。実家から母の着物を持って来て虫干しをした
想い出の着物も背がある私には裄がたりない

   

                                 短歌


古の文をひもとき蜻蛉の道綱の母今人のごと

「蜻蛉日記」を読むと何百年の時を経ても人の心は余り変わらないのだなと思う。

 


幸遠き痴呆の母に付き添ひて耳朶の薄きに胸つかれたり

母は何のために生まれてきたのだろうか
幼くしては親姉妹のため、母となっては子のために苦労ばかりしてきた
その母が、娘を命に代えてと育ててくれました
母にとって一番幸せな時だったのかもしれません
 


マリリンはいまはのきわに尾を振りて愛する人に別れ告げんと

あそびに行って留守の次女の帰りを待って待っていたのでしょうか・・
娘が帰って泣きながら見守っていると目を開けて尻尾をふったのだそうです
大好きだった次女に会えて思い残すことがなかったのでしょう・・
15分も経たずに旅立ちました
 


十五年のながきにわたり障がいの娘守りて老犬逝けり

あけてもくれても毎日がマリリンとともにすぎていった
イヤだと思っても我慢のできる賢い犬だった
私たちにとってマリリンは犬ではなく人間だった


愛犬の骸を抱きてあたたかきその体温の伝わりてくる

泣きながらマリリンの遺骸を抱くとまだまだ暖かくて今にも目を開きそうで
涙があふれてとまりません
 


弔いの夜を娘の部屋で過ぐ哀しくもまたあたたかきかな

泣き続ける娘は自分の部屋に一晩置きたいと・・
夜のふけるまでマリリンの思い出を心ゆくまで語り合いました

 


台所(だいどこ)のマットの上にマリリンの一筋の毛の残りたるかな

マリリンが逝ってもう何日も経ったのにマットにマリリンの毛が・・
また涙があふれ・・
 


家にゐて家に帰るといふ母のまなこにもはやわれは映らじ

今ではもう家に帰るともいえなくなりました


五十五の誕生の日を特養のボケたる母の傍らで過ぐ

シュークリームを食べさせると「うまい」と。よかったねおかあちゃん

 

川柳

五十路すぎ今度は母の保護者会

仲畑流万能川柳に投句でビギナーズラック

初投句載りて友より便りあり

毎日新聞とってたんだ〜〜

マリリンの旅立つ伴は庭の花

夏にはいつも穴を掘って座っていたよね

マリリンに手向けの花のメールきて

マリリンはみんなに愛されました
真実は今も昔も藪の中 日韓首脳会談開かれる

バレンタイン父へのチョコは型崩れ

彼へのチョコのおすそ分け・・でもうれしそう
報復の連鎖を切るのはどこの国 ニューヨークのテロを目の当たりにして

味覚というバトンを娘に渡したし

彼のために料理をしだした娘に全部渡したい。母もそう思ったんでしょうね

いいたいが言わぬが花と口つぐみ

言いたいことを全部言ったらきもちいいだろうな・・

菩薩にも夜叉にでもなる母の顔

子育てはきれいごとではない。余裕がありませんでした。

平凡が非凡なことと気づくとき

平凡こそささやかな幸せの基本かもしれない

畑仕事終えて夫の昼ビール

汗をかいて昼に飲むビールはおいしいね!

ピカドンにやられし壁の爪のあと

原爆記念館での見学は強烈だった

親がまだ生きているのに形見分け

弟が逝って一年すぎた。無人の実家の片づけをしていると懐かしいものが次々と目に入る。あ、これ貰う。こっち貰う・・こんな句が口をついた。

絶対に入れたはずならそこにある


探し物に時間をとられることが多くなった
大事なものが見当たらず大騒ぎするがいつも最初に思った場所にある。娘にはいつも「足が生えてないから置いたのならそこにある」と世話を焼くのだけど(^^ゞ