暮れの町
 

                            高田敏子


娘と久々に連れ立って
銀座を歩いた
靴の店 宝石の店
服装の店
飾窓に足をとめて
娘は私の好みそうなものを
私は娘に似合いそうなものを
指さして
飾窓に写る二人の姿にも
目をとめている
いいことね こうして
肩をならべて歩くのは
二人はそして
時の流れの音を聞いている
この日も遠い思い出に
なってゆくことが思われて

 

こんな気持ちも経験して
2005.12.18
娘は他家の人となって巣立って行きました